セラピーの退潮と向精神薬

ワタスの知るかぎりでは、ゲシュタルトセラピーやロルフィング、ロゴテラピーや交流分析など多くの心理療法サードパーティ化して存在感が希薄化した。
 向精神薬の登場がおおきな原因ではないだろうか?
 プロザックなのどの薬剤のほうが「確実」で「経済的」である。さらには誰にでも効果がある「はず」なのだ。さらには、疫学的に保証されているのだろう。FDAの認可の前提条件でもあるはずだ。

 さて、人間系のセラピーはどうなのか? どうも胡散臭いところがある。理論的な基盤も危うい。効くかどうかはっきりしない。
 等々、マイナス要因が山ほどだ。
だが、にもかかわらず人間系セラピーが退潮したのは、寂しい限りだ。
 R.D.レイン、良心のかたまりのような精神医学者が過去に置き去りにされてゆくからだ。学問的立場は異なるが、木村敏もそうした遺物化&異物化されてゆく対象だろう。
 精神薬理には現象学的精神医学は太刀打ち出来ない、からだ。
ビンスワンガーよりプロザックなのだ。