レーリーの定理とビーティ数列の可視化

 レーリーの定理とは物理学者の発見(証明はしていない)による自然数の分類に関わる法則だ。

 αとβという正の無理数があり、下式を満たすとしよう。

           f:id:Hyperion64:20210406191517j:plain

2つの集合AとBを以下のように定義する。[ ]はガウス記号でありますね。

     A={[α n]}; n=1,2,3,......

                  B={[α n]}; n=1,2,3,......

その時、A∩B=∅ であり、A∪B={1,2,3,4,5,.........}

2つの集合に自然数を重なること無く分解できるわけです。

 たとえば、f:id:Hyperion64:20210406192122j:plainとするとAとBにn=1から30まで順番に入れて計算すれば、

{1, 2, 4, 5, 7, 8, 9, 11, 12, 14, 15, 16, 18, 19, 21, 22, 24, 25, 26, 28, 29, 31, 32, 33, 35, 36, 38, 39, 41, 42}

と以下の集合に分かたれます。

{3, 6, 10, 13, 17, 20, 23, 27, 30, 34, 37, 40, 44, 47, 51, 54, 58, 61, 64, 68, 71, 75, 78, 81, 85, 88, 92, 95, 99, 102}

 これをば証明をした数学者にちなんでビーティ数列といいます。

一連の自然数を2つにわけるということを「0」と「1」というように表現すれば、

{1,2,3,4,5,6,7,8,9,.................................,20}を{1, 1, 0, 1, 1, 0, 1, 1, 1, 0, 1, 1, 0, 1, 1, 1, 0, 1, 1, 0}と

表現しても同じことでしょう。

かくて、1から20までの自然数f:id:Hyperion64:20210406192951j:plainをそれぞれ適用するれば、

{{1, 1, 0, 1, 1, 0, 1, 1, 1, 0, 1, 1, 0, 1, 1, 1, 0, 1, 1, 0}, {0, 1,0, 1, 0, 1, 0, 1, 0, 0, 1, 0, 1, 0, 1, 0, 1, 0, 0, 1}, {0, 0, 1, 0,0, 1, 0, 0, 1, 0, 0, 1, 0, 0, 1, 0, 0, 1, 0, 0}}となります。

1を黒、0を白とするとこのような可視化ができるわけです。

     f:id:Hyperion64:20210406193156j:plain

上の平方根は下式から生成しています。

              f:id:Hyperion64:20210406193305j:plain

n=1,2,3と行けば、どれも無理数でありますね。これをn=50まで拡げ、50までの自然数を分類したものを可視化したのがこうなります。

           f:id:Hyperion64:20210406193620j:plain

 この定理は2つに自然数をわけると主張していますが、集合の要素の数が均等になるとはしていない。この例のようにnによってはどちらかに偏るのはあたりまえなのです。

 左下の空白が語るのは、あるnまではランダムですが、大きくなると片方の集合に寄せられてしまうのですね。もっと上下に変動するような無理数列があると面白いパターンになります。

     たとえば、[Log[n + 1] k]で計算すると小さな自然数が均等に分解されると同時に

ある種のパターン(セルラーオートマトンみたいな)が現れる。

f:id:Hyperion64:20210408205903j:plain