ワイエルシュトラスの定義した関数には、たびたびお世話になっております。
ここはラブクラフトへのオマージュを兼ねて、その至るところ微分不能な関数の片りんを味わえるようにしよう。
定義は下のような三角関数の無限級数だ(ワイエルシュトラスのもとの定義通りではないので注意)。それは至るところ連続だが微分不能な線に近づいてゆく。
でも、無限項の和はもとより不要だ。最初の4,5項だけで、ほぼ錯乱した曲線になる。
ここは三次元化することで、人類に敵対する狂気の造形を生み出そう。
単純な例では、このようにしている。4項まででの和でしかない。
{wec[u, 1, 4], wes[v, 1, 4] , wes[u + v, 1, 2] }
アメリカのカルト的ホラー作家のラブクラフトの夢見た南極はこのような山々に囲まれた世界だったと思うのだ。 それが、ほぼ一世代前のワイヤスシュトラスの生み出した狂える曲線の波動と同期しているかのようだ。
最近も変わらぬ評価を受けている作品がある。21世紀になってもリメーク版が国際的な賞を受賞している作品だ。日本でも文庫が再刊されたりしている。
それは『狂気の山脈にて』だ。その底流となる宇宙への畏怖がある。至るところ連続で微分不能な曲線はそれを実現する幾何形状に思えてならない。
【参考文献】
この関数は高木貞治の古典的なテキストにも出てくる。