かのレオンハルト・オイラーの全集は、完成まではまだまだ遠い、とかいう噂をだいぶ前に聞いた。
この数学者にまつわる定理、公式、計算の数は膨大だけれども、やはりオイラーの定数は一番、気になる神秘的な数である。
彼の研究でオイラーの定数の最初の姿の一つは下式である。
ゼータ関数の和の極限値としてγ(オイラーの定数)は降臨したのだ。
試しにこれを数値計算してみると最初の2000項で「0.57746560240154067310...」となり、オイラーの定数に肉薄しているのが検証できた。
お節介好きな数追い人として上記の対になる下式の極限を調べてみたくなる。
だが、この場合にも関数和は収束がやたら遅い。
最初の30000項で「10.30896932721836650155157319557223458723...」となるのであるけれど、これでも小数点一桁ですら固定できていないようだ。
まだまだ、増えるのだがそれでも有限な極限値はあると思われる。
数論エクスプローラーとしては、γと対をなす数というだけで、興味しんしんではなかろうか?
そして、πのような既知の定数と関連付けてみたくなる。
【仕切り直し】
上記の計算仮定にミスのあることを指摘されて、仕切り無しであります。
まず、このような和を考える。
オイラーの定数の定義とよく似ているが、和をk=2から始める点と、ゼータ関数が分子になっているのが違いである。
n無限大の極限を考える。
証明抜きでの数値計算から、どうやらこの極限は「0」でないかと思える。
ゼータ関数の調和的総和は自然対数的に発散するというのは神秘的でしょう。
となると吾々は以下の予想を導きだせる。
ここで、γはオイラーの定数だ。
実際の値はn=10000くらいで「0.42278433509846714」となり、これはほぼ「1-γ」となり予想通りだ。
なんといっても安易すぎる結果なので、これは新規な事実ではなかろう。
【参考資料】
またまたこの本に裨益されてしもうた。Thanks the author.
- 作者: Julian Havil,新妻弘
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