基本対称式で表せない対称式?

 代数学で習う定理に「対称式は基本対称式で表現できる。それは一通りである」がある。では、下式はどうであろうか?

成立しない。

理由は多項式ではないからだ。
しかしながら、平方を繰り返していけばどこかで出来るのではないか?
残念ながら、3項の平方根がどこまでも残るので項数は増えるだけである。

その一方で、下式は基本対称式に還元できる。

還元された結果はこうなりますね。


【追記】
スモークマン氏からのコメントがありました。
いつもながらの説明不足(これは本ブログの特色ですが)を補います。

 x,y,zの三変数の基本対称式とは、以下の三式になります。
 x+y+z xy+yz+zx xyz

例えば、下式は



このように変形できるので、基本対称式に還元できたとします。
平方根に囲まれるとこうはいかなくなると主張したかったのです。