高校時代に下式の因数分解をみて美的なフィーリングを経験したヒトは多かれ少なかれいるであろう。まさしく因数分解のアイドルマスタ的存在であった。
さてさて〜、四次式以上でこの公式に近いものはないのであろうか?
例えば、次式。
これを対称的に因数分解できないか、というのは誰しも考えることであろう。
しかしながら、x+y+z+wという単純な因子を持たないことを試算してみて、ダメなことを確かめてから諦めるのが普通だし、それが正しいであろう。
ここでは、複素数に拡張した四次式の因数分解例を示しておく。もちろん上の式では無理だ。あまり美しくない結果なのはお断りしておく。
これはあくまでもひとつのケースだ。
下式の因数構成を考える。
この式は完全に展開すると以下のように実数項だけになる。項数が多いし対称性が微妙に崩れているのは目をつぶるとしよう。
だがもっと、自然な循環式を考えるとより見やすい公式ライクなものが導出できる。
展開された式を整理すると対称性のある項目に落ち着く。
この方が四次の因数分解のアイドルといってもいいだろう。
ここは導出の方法のほうが、より示唆的であろう。三次式のアイドルマスタを考える。
この式は1の三乗根ωを用いてこのように分解できる。
すなわち1の四乗根との適切な線形結合により導出されたのが上の事例であります。本来は代数学の体論(拡大体)の出番なのであろう。
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