複素数で見た三次の同次方程式のパターン

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上の式から出発する。u と vを一般的に求める。この両者は複素数だとしよう。未知数2つだから、変数を一つ入れて解く。wをその変数(複素数)としよう。

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一般性は保たれる。

基本対称式を用いてもとの式を変形すると

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二次方程式の根と係数の関係が使えるようになる。

 よって、解は以下となる。

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と二通りの解がでる。どちらでも同じなので上の方を採用しておく。

 

 uとvの2点が変化する様をwを単位円上を動かして観察する。結果はこうなる。

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 単位円から、不思議な曲線が生成される。まあ、リーマン面のようなものが見えてきたと解釈しておこう。点列からできているのには理由がある。wを円周の有理点で離散的に動かしたのだ(三乗式での有理点の存在有無を計算で確認する予定だった)

 

 同じ趣向で下の3次の方程式の特殊解を追跡してみよう。

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 3つの複素数で加算して1になる、そいううセットを求めよう。単純化した特殊解だ。

その単純化の条件は z1+z2+z3=0  である。

          z1 z2 z3=1/3   そして、z1 z2+ z2 z3 + z3 z1=wとする。

 最初の式は、所与の3次の方程式を変形すると出せる。先程のwという独立変数を持ち込んだのが二番目。 

 3次方程式の根と係数の関係を持ち込んだ。解は下の3個になる。z1, z2, z3はこの順番としておこう。

 

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 ここでもwを単位円上に動き回ってもらうとしよう。

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 2つの閉曲線が出てくるのが、意外なところであろう。

 wを連続化して円の半径を離散的に変化させた結果をみると、何が起きているか想像がつく。

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 3次方程式というのは見かけによらない内部構造があって、それが有理解の存在を拒んでいるというのが定性的結論だろう。

 

【参考文献】

 同様な代数的数の探求結果をまとめているのはリベンボイムの本だ。

 ワイルズの証明以前の本だけど、それだけに多種多様な研究が参照されていて楽しい。

フェルマーの最終定理13講 第2版

フェルマーの最終定理13講 第2版