ガウスは楕円関数論を独自に研究していた。しかも、かなり詳細な性質を把握していて、同時代のルジャンドルを抜き去っていた。しかし、慎重なガウスは成果を寝かしておいた。
わずかに遅れてアーベルが二重周期性や逆関数化などでガウスの研究をカバーするが若死にしてしまう。アーベルと競争していたヤコービがその後釜になり爆発的計算力で楕円関数論をほぼ開拓しつくす。
ガウスの楕円関数論の突破口はレムニスケートの弧長に関わる下記の式(甲)だった。
この式は円周率に関する下式と比較すると非情に重要なものに見えてくるのは後知恵だろう。
この定積分はπ/4になるのは高校数学の範囲だったような気がする。
甲の数値をガウスは丹念に計算していると高木貞治の本にあった。その数値はこんなものだ。
1.31102877714605990523241979495
口うるさい解析屋さん向けの甲の値はガンマ関数を使うとこうなる。
ベータ関数を使えば理系大学生なら導出できるはずだ。
【参考文献】
いつ読んでも色あせない著作であります。思い出しながらの書き込みなので上記の内容には記憶違いも混入していると思います。
- 作者: 高木貞治
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