三次方程式の解を求めるときに、
x^3-x+a=0
のように一次の項だけ残してから解の公式を求めたりする。
同様に、5次方程式の解をエルミートが解いた時にもブリング-ジェラードの標準形として、
x^5+x+b=0
としてから解を求めている。もちろん、五次方程式は根号だけでは代数的に解けないのだが、エルミートは楕円関数を用いて「解の公式」を得ている。
それはそれで羨ましいが、ここでは上記の変形式が複素平面上でどんな姿をしているかを比較したいのだ。
f(x)=x^5+x+b
を考えると
f'(x)=5 x^4+1
のようになることを注意しておきたい。だからこそ、比較的簡単に変形できるのではないかと推測できるのだ。
例えば、x^4-x+1=0
の解は複素平面上では連結すると台形となり、それを微分した三次方程式(4 x^3-1=0)は円分方程式になる(解を連結すると三角形)→下図参照
実数軸に対称なのところがこの方程式の扱いやすさの根拠になっている。
また、この2つの図形には何らかの幾何学的な関係がありそうだ。
ガウスの発見した結果を図示してみよう。n次方程式の解を結合してできる凸多角形を複素平面上で考える。
n次方程式を微分してできるn-1次方程式の解の凸多角形はその中に包含される。
次の9次方程式からスタートする。
円分方程式からx=1を除去してできる式である。
順次微分してやり解の多角形を重ね書きしたのが下図である。
代数学の基本定理を証明する途中で発見したというのが、流石であります。
ガウスは三次方程式の場合に面白いことを証明した。三次方程式の根の三角形にそれを微分した2次方程式の二根は内接する楕円の二点になるという。
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