双曲線上の円配置

 円を巧妙に配列させるのは和算の伝統である。まことに日の丸の人々は円が好きである。おそらくは卑弥呼の時代の三角縁神獣鏡あたりから、円を好むような感性を養ってきたのだ。
 「丸」の古称も「まろ」に由来する。船舶の名も城の本丸も、(おじゃる丸のような)人の幼名も同じ起源だ。
 鏡は円である。よって国旗も、通貨も円というわけであろう。

 反比例曲線上に円をおいてみよう。和算の人々は双曲線=反比例の曲線を知らなかったので、こうした遊戯には手を触れなかった。

 自然数nをとり、(n、1/n)という点列は曲線上にある。これを原点とする半径1/nの円を書き置いてみようか。

 青い線が反比例曲線。原点は確かに、線上にある。円は重なりはしないが、接してもいない。

 そこで隙間を埋める円を考える。一つの選択肢は下式の半径の円をx軸上に配置するというものだ。

 これは反比例線上の円の隙間を埋めてくれる。

 面白いことにこの円は大きさはあまり変化しないまま、半径1/2に収束することが示せる。

 もうひとつの考え方はx軸より上に円を配置してやることだ。
その時の円の半径はこうなる。

 そして、その円を描画するとこうだ。

 う〜ん、両ケースともあんまり、審美的な円の配列ではないなあ!