袴腰問題についての下の巻で、ひとまず解らしきものをまとめおく。
この問題は与えられている楕円と外点に対して、外接する等脚台形を求めることでありました。
何が与えられているかを記号的に整理しておきます。
楕円の式:ここでa,b,cは既知とします。cがあるんで傾いた楕円になります。
そして、pがここでのポイントであります。原点に中心を置けないのです。
x軸上にシフトさせる必要があるのですなあ。
上底と下底はx軸に平行ですが、両脚の直線を下式のように仮定します。
2つの直線はy軸に対称で、n>0で交わるわけです。mが正負逆でy軸(交点がy=nです)で交われば等脚になります。
mは未知数ですが、nは既知とします。
これだけあれば、解けます。
記号の意味と図形の配置を図示しておきます。
繰り返しますが等脚台形に内接させるために、楕円の回転中心がx=pにずれるように設定するのがポイントです。楕円の中心のy座標はゼロなのですが、x軸上にシフトするのですね。
楕円を回転させて、中心を移動させて台形に内接させるのですから、かなり複雑です。
和算家は算木と紙と幾何学的直観で発見したのですから大したもんですねえ。つまり、座標の考えを持たないで幾何学的解いたのです。
我らはデカルトの恩恵で解析幾何的な処理で計算できるので、大いにラクしてます。
解析幾何的な計算で以下のように諸元が求まります。つまり、等脚台形の形状が決まります。
楕円の傾き加減で中心も移動するのですから取り扱い注意ですわ。
「算出例」
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江戸後期の和算家は、台形と楕円の四方のすき間に内接する4つの円(東西南北の円という)を
おくことまで実施したが、それはまたいつの日か解析的フォローしてみよう。
よくまあ、こんな面倒なことを和算家はやってのけたものです。Oh! Wasan-ka Great!
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しかし、円柱を斜めに切断した面がやはり楕円になることは認識されていなかったそうだ。