素数を元にした格子点上のボロノイ図

 これはひょっとしたらイイ思いつきかもしれない。
 ボロノイ図は離散幾何の定番中の定番であるといっても、過言ではない。そいつを整数ペアからなる格子点に応用するだけで、ついぞ見かけぬ文様を生成できてしまうのだ。
 ボロノイ分割は通例、無秩序な点の集合に適用することが多いが、ここでは、かなり秩序がある
、そういった点の集合に当てはめてみるのである。

 {m,n}という整数対を考えよう。これがそのままでは正方形格子になるだけなので、表題にあるように、素数という微妙に不均整だが近似的秩序をもつ要素を混在させよう。
 何を隠そう、m+nが素数になるという(これは一例でしかない)制約を課する。

{1, 1}, {1, 2}, {1, 4}, {1, 6}, {1, 10}, {1, 12}, {2, -15}, {2, -13}, {2, -9}, {2, -7}, {2, -5}, {2, -4}, {2, 0}, {2, 1}, {2, 3}, {2, 5}, {2, 9}, {2, 11}....

 こんなような点集合が生成できるのだが、これに対してボロノイ分割を適用するのだ。ご存知のように隣接する点との間に、線分を引き、その垂直二等分線を順次結合するという単純明確な規則でポリゴン(多角形)が生み出される。

 上の点集合からはこのような平面分割が生み出される。黒い点はこの点集合の要素である。

 これを美しくしてみよう。原点に対して対称な文様とする。mとnの二乗和+1が素数という条件を採用した。


 
 原点付近はこのような均整美がある。

 シンプルなパターンだが、似たものを人類は思いついたことがあるだろうか?

条件をちょっと変えると異なる文様となるのが、アルゴリズム・ユニバースの夢幻的幽玄な証拠である。(無限的有限のダジャレだ)


 生成する番号を記入すると住宅地図のようになる。

 対称性と黒点のせいで、クマさんがいるようだ。

 そのうち、大量生産してアニメ化してみよう。

形とシンメトリーの饗宴

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  • 出版社/メーカー: 森北出版
  • 発売日: 2003/05/01
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