あるベッセル関数の値の珍事

 ものの本によるとベッセル関数のとある値が連分数的にゆかしい表示がある。

 この無限に続く連分数は変形ベッセル関数のx=2の値の分数とこんな関係にあるという。これは、かなり有名な事象らしいですね。

この値は「2.3087893730662400685...」となる。
 変形ベッセル関数は次の微分方程式の解の一つである。

この連分数をかりに次のように表示しておこう。
{2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11, 12, 13, 14, 15, 16, 17, 18, 19, 20, 21.....}

ここで1番目に2,2番目に3,3番目に4がきている。
その事態をこうグラフ表現しておこう。

横軸が順番で、それに対応する連分数が縦軸であります。

 実は孤立した現象ではないのであります。以下、BesselI[n, x]をn次の変形ベッセル関数とします。

BesselI[2, 2]/BesselI[3, 2]={3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11, 12, 13, 14, 15, 16, 17, 18, 19, 20, 21, 22}
BesselI[3, 2]/BesselI[4, 2]={4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11, 12, 13, 14, 15, 16, 17, 18, 19, 20, 21,22, 23}
BesselI[1, 1]/BesselI[2, 1]={4, 6, 8, 10, 12, 14, 16, 18, 20, 22, 24, 26, 28, 30, 32, 34, 36, 38, 40, 42}

は予想できるところでしょう。

 さらには、

BesselI[2, 1]/BesselI[3, 1]={6, 8, 10, 12, 14, 16, 18, 20, 22, 24, 26, 28, 30, 32, 34, 36, 38, 40, 42, 44}

 ところが、お隣のx=3になるとオカシクなります。
BesselI[2, 3]/BesselI[3, 3]={2, 2, 1, 17, 1, 3, 6, 6, 5, 67, 2, 2, 1, 2, 5, 2, 1, 3, 3, 1}

これを先のグラフで表現するとこうですね。

これもそうですね。
BesselI[1, 3]/BesselI[2, 3]={1, 1, 3, 5, 1, 1, 6, 3, 1, 8, 1, 2, 1, 2, 1, 1, 6, 1, 14, 1}

グラフ表現しますと

微妙に狂ってくると言うか、微妙に規則正しくオカシクなってくる。これが本来の連分数展開なのかもしれないですけどね。

とりあえずのまとめてをしておくとこんなグラフ。

 変形ベッセルの分数は連分数による関数展開ができるのでしょうけれど、誰か証明してくれませんかねえ。

ベッセル函数入門 (実用数学全書)

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