昨日の[線列としての複素数列]の応用例を示そうかな。
あのお遊びも役に立たなそうで立つのであります。おそらくは教育的事例として参考になるでしょう。
ガウスが平方剰余の相互法則を証明するときに遭遇した複素数の和がある。それが今回のターゲットであります。
天才ガウスも一般的な公式の証明にはやや苦労したようだ。この和は「ガウスの和」G(m)と呼ばれる。
後年、ディリクレが美しい証明、数学史上もっとも美しい証明の一つをガウスに呈示して、その賞賛を勝ち得ている。そのご褒美にガウスの後継者としてゲッティンゲン大学の数学教授に指名されたようなものだ。
さて、このガウスの和は複素数列としてどのような挙動を示すのかが、本題であります。
m=1から20の20本の推移であります。つまり、mを与えてからkをm−1まで順番に和をとった数列の描く軌跡であります。
4方向から中心部、もしくはmの平方根に接近するでありますね。左上の象限には少ないのはG(m)の公式から自明です。
mを70までに拡大したもの。だんだんとパターンが見えてまいります。
300までに拡大したケース。
四方からの渦巻きが平方剰余と関係するのがなんとも玄妙であります。
ガウスの頭脳はこれらのイメージを計算しながら、全体像を直観していたのかもしれません。
やっぱり恐るべし!ガウス。
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
- -
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
ガウスの和の導出だけでなくガウスやディリクレの業績を見通しよく教えてくれる良書
サイエンススクールの教科書になりえるでしょう。
- 作者: Winfried Scharlau,Hans Opolka,志賀弘典
- 出版社/メーカー: 日本評論社
- 発売日: 1994/11
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (1件) を見る