平行四辺形には傾いている楕円は内接不可能であることから、証明してみよう。
(本証明は楕円の中心が原点にあると仮定しているのでかなり限定的であります)
平行四辺形も原点に中心をおこう。高さは2b、巾は2aとする。cは頂点までのリード距離です(下図)
つまり、両側の辺はx軸でc進んでbだけ大きくなるわけです。
楕円の方程式を微分してやると(x,y)での傾きの式は、
こればy=bおよびy=-bで、ゼロにならねばならない。
下の2式は上辺と下辺での接点での楕円の式ですが、両式が成立するわけです。
すなわち、1/rに関する項はあり得ないことになる。内接する楕円の方程式のxyの項はありえない。つまり、傾いた楕円は平行四辺形に内接できないことになります(これが本論の主題でした)
平行四辺形を与えるとp,qを自動的に決められるのは、初等的で単純です。
幾何学の問題では一点を与えると解けるとしています(参考:『数学100の勝利 vol.2』)
ここでは結果だけ示しておきます。
楕円が存在する条件はa>cです。a=cで楕円は成立しなくなります。
ついでながら、一般の楕円の接線の方程式も記載しておきます。接点(x,y)での式です(この導出は高校入試問題に向いています)
本題の内容を修正・拡張しました。
http://d.hatena.ne.jp/Hyperion64/20120313/p1
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