円と楕円の平面充填率

 同じ大きさの円で平面を周期的に埋めるのには、二通りの配置があります。
これと格子点上の円の中心を置くやり方と互い違いに置くやり方です。

 充填を考えます。つまり、同じ面積にどれだけたくさん円を置けるかです。
これらの円の充填率には「隙間」の大きさを比較することになります。
下図でいえば、オレンジ色の面積比を見積もればよいわけです。

甲 

もう一つは、これであります。
乙 

図から直感されるように下のほうが隙間は狭いです。
上の隙間は正方形に対して、0.214、下の隙間は正三角形に対して、0.093となります。

 ここで今回のテーマであります。任意の楕円で上の2通りの配置の隙間の比率はどうなるか?

 答えは、楕円の形状に依存せず円と同じ結果となるのです。

 乙)に関していくつか計算結果を出しておきます。
左右対称の二個の楕円を接して配置します。その中心座標は(-a,0)と(a,0)です。楕円はすべて同じ形状で長軸b、短軸aとします。

 その時に上側から接する楕円中心のy座標をh、右側の接点(赤い点)を(X,Y)とすると

これらを元に面積の比率を計算すると確認できるでしょう。

 円柱も楕円柱も乙のような配置で重ねれば、歩留まりは同じというのが、本論のまとめです。