超光速ニュートリノで思い出したこと

 CERNの実験結果が話題になっております。ニュートリノが相対論を破って光速度以上で移動したとか
しないとか。真偽はこれから物理学者たちが本腰を入れて検証するでしょう。
 ここで思い出したのが、「光速が光速以下となった実験が連続した時期」があったことです。
物理学史に詳しいヒトならご存知のこの事実は、あまり顧みられることがありませんし、文献も簡単には参照できません。

 現に私が参照しているのも「リスク解析入門」という畑違いの本に教訓として出ている図です。

 実験誤差を考慮した観測値(黒丸)が1930年代にはなぜか、299800km/s以下になっているのです。
19世紀後半はそれ以上の計測値でしたし、20世紀後半には旧に復しているのです。

 ここで、関係のない妄想がアタマをもたげます。 1930年代の世界恐慌が実験誤差や人間の認知機能に影響を与えていたとしたら....。実験は社会的な作業なので、集団的な気分が排除できるとは限りません。光速度測定なども精度を要求される実験です。

 EU初のリーマン・ショックの二番目が起きるかもしれない、その震源地で科学者たちは精度を要求される実験をしました。
 ヨーロッパにいた科学者たちの心理状態の微妙なひだを今回のニュートリノ実験が反映していると考えるのも、...そうした空想もありな状況ですね。


科学論序説―新パラダイムへのアプローチ

科学論序説―新パラダイムへのアプローチ

 科学論研究者には「存在拘束性」を唱える人たちがいます。科学的発見が社会状況と無関係ではないとする人たちです。世界同時不況が物理的発見や発明のあるものに影響するというのも一例です。原爆はナチがユダヤ迫害をしなければ開発が遅れたでしょう。
 まあ、異端とされてはいますけど。