寺田寅彦の映画鑑賞Ⅱ

 寺田の『映画雑感Ⅱ』に評論せられたる初期映画のタイトルをYouTubeから拾いだす。地球物理学者で実験家、俳人、そして当代一流の文化人として、寺田寅彦氏は新しい映画芸術を日々注視していたのだねえ。

 寄宿舎の女学生の関係を扱う『制服の処女』昭和8年の封切り。女流監督レオンチーネ・ザーガン。
登場人物に男がいない。そうした環境下で女性たちがどのように振舞うかを実験した科学的な映画と寺田は評論している。



 Man Ray の『ひとで』(1923)である。マン・レイアメリカ人とは知らなかった。実験的な映像の連続。
昭和初期の日本人にはとてもモダーンにみえてたかもしれない。だが、寺田は精確にその非芸術性を見取っている。寺田は面白さの予感はすると評している。


寺田寅彦随筆集 (第4巻) (岩波文庫)

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