ハゲの進行パターンによる哲学者の生と学説の仕分け-髪の毛フッサールと生え際ハイデガー-

 ハゲの哲学者はかなり多い。そこで今回は史上著名な哲学者の学説と人生がそのハゲ具合とどのように関係するかを考究する場としたい。
 偉大なる頭脳は特徴的な頭蓋を所有する。それ故に禿げる運命にあるとしてそれほど間違いではない。もちろん大いなる例外はあるが、その晩年には頭脳酷使のゆえに毛髪も疲れはてて、その住居を見捨ててゆくケースが多いのであろう。

序説 1)ハゲのパターン6種
 毛髪退行現象の専門家諸氏によれば、ハゲ方には6パターンある。C型、O型、H型、S型、U型、A型である。ほぼ文字の形が退行する生え際の形状になると考えて良い。これは毛髪研究の第一人者の説である。(参考文献1)

 図表(上の図)を参照すればイメージがつかみやすかろう。
C型はオマケのチョビチョビがCの開口部にある。
O型は円形であり、H型は剃り込みがシンメトリーにある。Hの真ん中にあるブリッジ(横棒)はあってもなくともよい。
U型は文字が逆さとなり、A型は凸状に前線が張りだす。H型同様ブリッジはあってもなくともよい。
S型はきわめて分かりにくいが、C型の変種と考えればよかろう。
 その他に0(ゼロ)型=スキンヘッドを追加しておく(ちなみに哲学史上、0型は一人しかいないので性格や学説についての診断は差し控える)


2)哲学者とそのハゲ
 ソクラテスが哲学者の始祖である。プラトンアリストテレスとともに考察する。古典期ギリシアの時代からの彫像もしくはレプリカが存在するので、ハゲ方は概略把握できるのである。これは本研究にとって、幸いなことである。
 ルーブル美術館ソクラテス彫像のハゲ具合はA型である。だが、もっとハゲが進行した彫像もある。
晩年はU型であったとしておく。

 それに対して弟子のプラトンはハゲが進行していないフサフサ型ではないかと考えられる。その弟子、アリストテレスは生え際を巧妙に隠蔽しているので不明であるが、A型であろう。

 ソクラテスは職業が石屋であり、それに加えて、優れた戦士であり、屋外での重労働にも耐えたということが伝わっている。思考と瞑想を人も呆れるほど継続したことも伝わっている(一晩中立ち尽くして考えていたとか)
 この活動性はアリストテレスにも継承されていたようだ。彼の『動物誌』に見られるような動物の解剖学的研究はかなりの手間隙作業をかけたものだ。何百種となく動物解剖を実施するかたわら、ギリシア都市国家の国制や法制を収集・分類し、自然学と論理学と形而上学を考えぬき、講義して著述してたのだ。しかも、ちゃっかり結婚している。
 プラトンはこの二人に挟まれた異質の人材であるのはそのフサフサ髪が示す。戯曲形式の対話篇がその証拠である。
芸術的志向があったのである。A型といえなくもない。
 よくプラトンの外見として参照されるラファエロの絵画では、アリストテレスのほうがフサフサしているのは釈然としない。
(左がプラトンで右がアリストテレスとされる)


 時代が下って、ドイツの理性の時代に移行する。
哲学者の鑑、カントからハゲの観察に着手しよう。彼以降にドイツ観念論が花開くのであるが、そのカントの生え際はこうなっている。
 かなり剃りこみが進行しているので、明らかにH型である。やはり考えぬくタイプは剃り込み型でこめかみ上方より、毛髪は去っていくのだ。

 後継者にして、最大なる哲学者は観念論者ヘーゲルであるが、彼もフサフサというよりは、A型になっているのである。ただし、彼は働き盛りでコレラで急死しているので、人生の最盛期の生え際しか観察できない。老後はU型となった可能性がある。
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 異端的な(間接のカントの)弟子としてはショーペンハウエルがいる。どうやら、彼もA型といえる。
 ヘーゲルは楽観論であり、ショーペンハウエルは悲観論者であったが、この相違がハゲ方に表現されていないのは残念なことである。楽観主義的なハゲ方とか悲観主義的なハゲ方とかが、ぞんぶんに分析・批評できれば、ハゲの精神性の研究が大いに役立つことになったであろうに!

 18世紀の観念論者はU型となると言ってよかろう。なぜならその反対の対象者マルクスはA型であり、その弟分のエンゲルスもA型なのである。よって、唯物論はA型となる傾向がある(個人的事情があって、唯物論者に関する結論を簡素化する)

 20世紀となる。この悲劇的な世紀には、哲学者はますます禿げる傾向が強まるようである。
 フッサールはその名に反して、U型のハゲであった。だが不肖の弟子のハイデガーはA型となっている。間にはいるマックス・シェーラーはどうかというとU型と言ってよかろう。彼は病気持ちだったのでなんとも言えないが。現象学の学派においては性格が捻くれたハイデガーが特異な形而上学的才幹を持ち、ナチドイツでも民主制ドイツにおいても、大筋世渡りがうまかった。A型はその世間知の証拠と考える。

エドムント・フッサール(名前に対して毛は少ない)

マックス・シェーラー(切れ者だった頭をシェービング)

ハイデッガー(クセのある思索家。H型の生え際のようにも思える難解な生え際)

研究者によって生え際の解釈が異なるが、ここでは研究者生命を賭けてA型と断定しておく!

 ギリシアとドイツから、イギリスに移ろう。ここでの著名な哲学者は独特の生え際パターンを提供しているからである。
 フランスは著名な思想家の系列が曖昧でありハゲ方もバクっとしているので、この架空の一例だけをコメント抜きで取り上げる。超哲学者のマンソンジュである。氏の写真はこれしかないという。*1
(参考文献2)


 ジョン・ロックはハゲが目立たない。パークリー僧正はカツラ愛用なので判然としない。だが、観念論者がU型になるというこれまでの観察結果から、彼はU型のハゲであるとしておく。ヒュームもカツラの肖像しかない。彼は懐疑論者であり、懐疑論者は一般にソフィストゴルギアスからスタートしている。ゴルギアスはフサフサであり、よってここではヒュームもそうだとしておこう。

痩せすぎロックはフサフサ経験主義者


懐疑論ゴルギアス

穏健デブのヒューム




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3)結論 
 結論としては、哲学者にはO型C型S型は少ない。これらはハゲの過渡期であり、性格形成もしくは学説形成が遂げられる以前にこの三種である可能性があるが、いずれも一時的な生え際パターンとみられるからである。
 U型は観念論者となる傾向があり、学派の形成者となる気質にも関連すると思われる。H型はカントのもであるが、彼も晩年はU型になっていたであろう(理論的推測)A型はU型への移行期として哲学者の前頭によく発現する。この2種はほぼ同種なものであるという仮設は将来の検定に待つ。
 A型はアリストテレスハイデガーがそうであるが、世渡りが上手い傾向がある。懐疑論者はフサフサとなる傾向もあるようだ。これは物事に執着しない思考の反映であろうか?
 本学説は学説と役割によって髪の毛の生え際が規定され、逆も真であることを唱えるものである。その微毛は証明された。
なお、西洋人種だけではなく、和人の哲学者のハゲ方の比較研究も必要であり、そのための研究資金を現在、収集中である(募金歓迎である)


(参考文献1)ハゲの権威による分類

毛髪の科学と診断 (薬事日報新書)

毛髪の科学と診断 (薬事日報新書)

(参考文献2)謎のハゲ哲

超哲学者マンソンジュ氏 (平凡社ライブラリー)

超哲学者マンソンジュ氏 (平凡社ライブラリー)

(その他全般)90歳まで毛があった哲学者による西洋哲学史

ラッセルの本は哲学者の生え際を検討する上での必読書(肖像絵がついているから)

*1:ミシェル・フコーのスキンヘッドは別途検討する必要があるかもしれない