なぜにプラトンの対話篇、とくに『パイドーン』を劇にしないのだろうか?
ソクラテスの死に至る対話をドラマチックに描いた、真の悲劇なのに。
理由としては、ソクラテスが魂の不死について弟子たちと対話する、その理屈までを劇中に盛り込むのは難しいというのは、あるであろう。
プラトンは、ソフォクレスのような悲劇作家を志していただけであって、人を描く才覚は並のものではない。まして、『パイドーン』はソクラテスを哲学者の始祖に祭りあげ、しかも多くの青少年に感銘を与えた内容をそなえる。
なれば、是非にも演劇化を試みてもらいたいものである。
- 作者: プラトーン,田中美知太郎,池田美恵
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1968/07/02
- メディア: 文庫
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