本当は「連立三次方程式の『怪』」としたいところ。人智は無力で代数方程式の可解性の片鱗にも達し得ないことを肌で感じてきれればよい。言うまでもないけど、原理的には2元3次方程式は可解である。根の公式もある。でも、誰も全体を通読してないだろう。それを例示したい。
x,yの連立三次方程式のシンプル版から始めよう。
さて、この解は比較的単純なものとなる。見かけだけの三次方程式だからだ。そのうちのワンセットを示そう。
しかし、ほんの一項目追加された連立三次方程式は、手に負えない化け物になる。
これが連立方程式で、上記に一項目rxyが加わっただけだ。
その解は、こうなる(全部ではないほんの一部だ)
読めなくとも雰囲気だけ感じて欲しいのだけど、この表示はxの一つの解の1割もない。
つまりは、人手で解けないゾーンになっているということなのだ。
(追記)−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
もう少々人手を加えると理解性が深まるかもしれない 。
第二式はこうなる。
x =(-q + t - p y^3 + s y^3)/(r y)
よって、第一式よりxを消去すると
t + s y^3 + (-q + t - p y^3 + s y^3)^3/(r^3 y^3) == 0
y^3=uに置換すると、こうなりはする。
t + s u + (-q + t - p u + s u)^3/(r^3 u) == 0
3根存在する。
その解の一つを示すが、これをωで処理して3つの候補解をそれぞれに有する。
ここからyをだし、xを解くことでまあまあの式にはなるであろう。
だけれども、いずれにしても、こうした膨大な数式処理はMaximaやRisa/Asir、Mathematicaなどで実施するしかない。
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