問題自体はえらく簡単だ。
原点を中心とする楕円が与えられたする。その外部の任意の点が与えられ、その点を中心とする円が楕円と接触するとする。
問題は「その半径を求めよ」だ。
下図のような状況を想像してほしい。
このような単純な接触問題が、受験数学にも現れないのには、もちろん理由がある。
その困難さを以下に示してみせよう。
接点の座標(u,v)とし、円の中心(X0,Y0)、楕円の長軸a短軸bとすると、次の連立方程式をとくことになるのである。
これは4次方程式となり、高校数学の範囲を超える。仮に4次方程式の根の公式を知っていたとしても、途方もなく強力な計算力がなければ解けない。
そういう意味では人間の数理能力などは限定的である。
半径rの解の一つを示しておこう。
大凡の数学好きの面々は己の計算力に絶望するしかないであろう。