ITプロジェクトの破綻傾向と対策

 大型開発プロジェクトの破綻リスクが高まっている。これはひとえにeビジネスや組織横断型プロセスのもたらしたものではないかと小生は密かに考えている。
 説明しよう。
SCMやCRMなどEndToEndを売りにするソリューションは、成功すれば上手くいく(当然じゃ)うまくいった場合の利益を求めて、この手の開発が増えている。
従来型の開発と違うのは、なんといっても利害関係者の多さである。関係組織の多さである。つまり、インタフェースしなければならない既存システムの多さでもある。へたをすると関係会社や代理店ともつながなくてはならない。
 ウジャウジャと要件が出され、なし崩し的に機能が追加されててゆくのは眼に見えている。仕様変更が止められない。それが他の工程にも響くのも止められない。
「わかっちゃいるのにやめられない」植木等ならずとも歌いたくなる。
分散オブジェクトとかSOAとかで何とか食い止めようとするが、焼け石に水のようなものだ。
 十分な予算と十分な期間、そして出来るエンジニアが揃っているプロジェクトは、レッドデータアニマル並に少ないだろう。
 となると成功の鍵は、いかにPM(プロジェクト・マネージャ)の交渉力にあるようだ。何を捨て何を拾うか、当初の目論見は現実の制約でどう置き換えられるかを早めにユーザに飲み込んでもらうしかない。しかも、喜んでのみこんでもらうことが腕の見せどころなのだ。