猫の島、ネコミミ、のまネコ

 なぜか、アキバ系愛玩動物は猫と相場が決まった感がある。
 ひと昔前には、のまネコが、昨年は、脳波を感知して動くネコミミプロジェクトが、内外でも話題になり、日経の記事にもなった。その範囲は2チャンネラーには限定されないようだ。
 今年は、遠隔操作PC事件の関係で江ノ島のネコが人気になった。
 もっとも、江ノ島以外にも、のら猫だらけの島があるそうだ。
「こんなにあった、全国の猫島」
http://tuitui.jp/2010/06/c05-nekojima.html

柳田国男は「猫の島」で全国の島におけるネコに関する禁忌を書き留めている。陸前田代島とか広島の厳島の近く別島の件などだ。伊豆の式根島でも犬を連れて上陸してはならぬそうだ。猫の国という萩原朔太郎的な伝説もあるそうだ。能登半島の沖にある猫の島というのが今昔物語にあるそうだが、常陸の猫島はなぜか内陸の地名で筑波の西の麓にある。
 猫岳の綺譚では猫の娘が人を誑し込むという。
 人気が定着したエヴァ綾波レイ碇シンジなどのパイロットたちはネコミミもどきなヘッドセットを装着しているのも連想される。
 ネコミミはどうやら淵源をコードウェイナー・スミスのおもてなしネコ娘のク・メルに持つらしい。いやいや、ゲゲゲの鬼太郎ネコ娘だろうという異説もある。
 いずれにせよ、ツンとしたその態度と動作のしなやかさは、いかにも女性を思わしめるものがあるようだ。


ネコミミ

necomimi

necomimi

 ク・メルの初期イメージ。主人公のマクバンの右手の女性だ。鬼太郎のネコ娘よりは古いだろう。ネコミミはないのであるが。


 人と動物の交渉を伝承から探る。「猫の島」もその一つ。「窓一ぱいの猫の顔」はイマジンを誘う。

孤猿随筆 (岩波文庫)

孤猿随筆 (岩波文庫)


 老舎の「猫城記」も中国の伝承から由来するのであろう。

猫城記 (1980年) (サンリオSF文庫)

猫城記 (1980年) (サンリオSF文庫)