...と書きしるしたのは分子生物学者のシャルガフだ。
「う〜ん」と私は唸る。
1970年代に嫌世派の科学者が忌々しげに嘆いてから40年。今では、当時よりもはるかに値札があちこちに付くようになった。地獄に近づいたといえる。
なんとならば、金融や保険の世界を見渡してみればわかろう。先物だ、オプションだ、地震保険だ、巨大事故の再保険だ、不動産REITだ。
宇宙旅行もパッケージ商品になる。
かと思えば、
医療も遺伝子レベルやでの診断と治癒ができるようになり、若返りの皮膚や臓器移植だの、憂さばらしや記憶増強の向精神薬が売り買いされる。遺伝子医療や脳科学の賜物だ。
- 作者: L.アンドルーズ,D.ネルキン,野田亮,野田洋子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2002/08/27
- メディア: 単行本
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地獄の沙汰も金次第とか。
そのうち、政府や国土、人権や文化・伝統も売買されるようになるだろう。時間の問題だ。
何ごとも値段がつけば、市場に出すことができるのだ。
ヘラクレイトスの火―自然科学者の回想的文明批判 (同時代ライブラリー)
- 作者: E.シャルガフ,村上陽一郎
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1990/10/15
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