棒が壁を滑り落ちる包絡線のある変種

 壁を滑る長さ一定の棒の描く包絡線というとアステロイドとなる。思い出しを兼ねて再導出しておこう。棒の長さをlとする。壁は鉛直の壁。水平面と棒のなす角θとすると分かりやすい。

 この棒の第一象限での方程式は初等数学から下記となる。

 ここは、プリミティブな方法でやってみます。
 包絡線の基本的な考え方は棒の位置θの微小変異での交点の軌跡であると見なせばいいだろう。
 ここでは2つの位置θ=αとθ=βをとる。

交点の座標を求めると上の方程式を連立させて、こうなる。

解は下式になる。

β=α+δを代入し、δ→0の極限をとれば、簡潔な媒介変数のセットになる。

 これはアステロイドの式であります。

l=1として、全象限で描画したらばこうなる。

 ここでは前座であります。変種を考えてみました。
壁が鉛直ではなく、αで曲がっている場合ですね。棒が滑るとどんな包絡線になるでしょうか?(下図)

 問題の定式化さえできてしまえば、回答の導出は比較的容易でありましょう。

 上記の媒介変数による曲線例を例示しておきます(α=π/3)

θの制限は無視して描いています。

 アステロイドが歪んでいるのが面白いところでしょうな。