ついに赤字財政は800兆円を超えようとしている。このバランスを失したバラマキ政策の数理経済学的根拠として、「アベノミクス曲線」を定義しておく。
愚行の記念碑として顕彰しておく価値はあろう。
非厳密に言えばアベノミクス曲線とはラッファー曲線の一種であり、その特性上多価関数になる。
縦軸が税収と横軸が税率という選択には何ら経済学的知性がないが、それはラッファー曲線の一般的特徴であるので度外視していただく。
そのカーブはこうなる(はず)
シャギーは曲線の酔歩性を表している。すべて座標は1990年の国家予算で正規化している。
縦軸はマイナスになることがポイントであり、税収がバラマキになり回収不能な次元になることを定性的に示している。横軸は税率であるが散漫で抜け漏れが多いのでマイナスの税率(つまり、還付金が納税額どころか収益を上回る)になることもある。
曲線の多価性は政策や法律の解釈があいまいで、時折り真逆の解釈がまかり通ることを象徴している。
これが造反的な数理経済学者がアベノミクスを語るに落ちるという論拠となる、排他的なモデルである。
もって瞑目すべきかな。