二次式の素数競争

 リチャード・ガイの旧著『数論における未解決問題集』の最初の問いかけ【A1】は
次のような出だしだ。

n^2+1の形の素数は無限に存在するか?恐らく存在するだろう。
実際、HardyとLittlewood(その予想E)は次のことを予想している。

 HardyとLittlewoodは漸近的に下式となるという予想をしているそうだ。
 

 ここでは、そのアレンジメントとして、n^2+k k=1,2,3,4,...のうちでの素数の出現が一番多いものがどうなるかを数値競争させてみたいのだ。

 素数競争の一種である。
説明しよう。

 n^2 + 1 ではnを1から1000まで動かすと次のような素数を生み出す。

2, 5, 17, 37, 101, 197, 257, 401, 577, 677, 1297, 1601, 2917, 3137, 4357, 5477, 7057, 8101, 8837, 12101, 13457, 14401, 15377, 15877, 16901, 17957, 21317, 22501, 24337, 25601, 28901, 30977, 32401, 33857, 41617, 42437, 44101, 50177, 52901, 55697, 57601, 62501, 65537, 67601, 69697, 72901, 78401, 80657, 90001, 93637, 98597, 106277, 115601, 122501, 147457, 148997, 156817, 160001, 164837, 176401, 184901, 190097, 193601, 197137, 215297, 217157, 220901, 224677, 240101, 246017, 287297, 295937, 309137, 324901, 331777, 341057, 352837, 401957, 404497, 414737, 417317, 427717, 454277, 462401, 470597, 476101, 484417, 490001, 495617, 509797, 512657, 547601, 562501, 577601, 583697, 608401, 614657, 665857, 682277, 739601, 746497, 792101, 820837, 828101, 846401, 864901, 876097, 894917, 902501, 921601, 933157, 972197

 112個の素数が1000個の数に含まれているわけだ。

n^2+k として、kが1の場合になる。
kが2,3,4,5,6,7,8,9,10ではそれぞれどうだろうか?
どのkが素数を一番算出=産出するだろうか?
 その数への問いかけが、素数競争のモチベーションとなる。もちろん、有限のnについてのみの計算になるのが、制約である。

 早速、取り掛かろう。

 kを横軸(1,2,3,4,5,6,7,8,9,10)として、縦軸に素数の数をとった計算結果の一例を示す。縦軸は対数スケールである。

 k=1とk=7にピークがありそうだ。
 そして、この三本の折れ線は、下からn=100まで、1000までと10000までの素数の数を横並びで結んだものだ。

 さらに探索範囲を拡大する。kを20まで広げる。nも100000までとしたのが下のグラフとなる(かなり自分のPCのパワー限界に近い!)


nの範囲を1000000まで拡大した。一番上のラインだ。もうPCは発狂寸前だ。

 k=7が頑張り通している。ガイの本のk=1などよりは素数頻度が高そうだ。しかし、それがそうもいかないののが自然数の世界の深さなのだ。無限=アレフヌル個もあるので、結論など数値計算からは出せないのだ。

 どうであろう? 熱狂するほど面白いであろう?!


【追記】
パワーマシンで拡張計算してみた。k=50までの範囲を1000000までカウントしたのが下図である。k=37にピークがあるように思える。



 ということで〜、
 その場で思いついた任意の代数式(素数を生み出すような)で、競馬のように素数を生み出す式がどれかという賭博がないものであろうか?
 素数競争賭博なんて、あるとイイカモ。