フェルマー点の解析的表現の試み

 三角形の各頂点からの距離の和が最小となる点を「フェルマー点」という。初等幾何的な問題が中学入試(!)に出題される。
初等幾何的解法が初等的かどうかはともかく、解析的に解くにはとても不向きな問題であります。

 ここではフェルマー点の特徴を使い、その座標F(X0,Y0)を求めます。
ただし、解の十分条件はチェックしませんので不十分な解法です。
 悪しからず。

 三角形の頂点座標を(X1,Y1),(X2,Y2),(X3,Y3)とします。さらにFから各頂点までを極座標的に表現する。
頂点までの距離をr1,r2,r3とします。【下図参照】

 ここで既知の幾何学的情報を利用します。FAとFB、FBとFC、FCとFAのなす角度は120度であることです(この情報があると解く手間が大いに省ける)

 要約すれば、そのお陰で6元方程式が立てられる。解くべき変数は(X0,Y0)とr1,r2,r3およびαの6個。

 これを強引に解きます。もちろんPCが解いてくれるのですが、人手で簡略化してあげないと詰まったりもします。
 4組の解がでます。
 どれがどの場合に真の解になるかは追求しません(点A,B,Cの配置やら根号内の正負を見なければならない)。任意に一つを選んでその結果を提示しておきます。解としては不完全ですがイメージは掴めるでしょう。

 


【追記】
 折角の機会だから、r1+r2+r3がどんな式となるか知りたいというヒト向けにその顕示的式を記しておきます。
これが三角形の頂点からの距離の和「r1+r2+r3」の最小値の候補であります。


                                                                                                                                                                                                                • -

この本によれば「ナポレオンの定理」とフェルマー点は密接な関係があるといいます。端倪するなかれ、三角形!

偏愛的数学 II 魅惑の図形

偏愛的数学 II 魅惑の図形