北京で有害物質の濃霧と老荘の国

 1月の淀んだ大気のせいか中国の大都市ではPM2.5(人体の呼吸器にダメージを与える2.5μmの微粒子)を含む濃霧が連日のように発生していると報じられている。
 PM2.5は、ディーゼルエンジン排気ガスによるものとされている。
それはともかく、中国は4年連続自動車販売台数が世界一であったというではないか。日本もかつて排気ガスに悩んだ時期があったが、中国が半世紀後におなじ泥ぬまにハマるとは...。
 13億人が西側モデルのような経済活動に励めばどうなるかは、ご覧のとおり。きれいな空気、きれいな飲水すらも保証できないような環境劣化を招来している。これには石炭を主とする火力発電も大いに関わっているであろう。
 孔孟と老荘の国が、こんな見え過ぎる事態に落ち込むとはなんとしたことか。これらから、欲望弁が開放された13億人を制御するのは容易なことではないだろうに。

敢えて言う。
 中華の為政者よ、貴君らには西洋文明とは異なる文明のあり方を営々と築きあげてもらいたかったのだが。これでは覇道の狗と成り下がったも同然のような気がする。
 毛路線でもなんでも良い真のサスティナブル=無為の政治というのを地上に実現してみてほしいものである。そうすると西側諸国も裨益されること請け合いで中華文明への尊崇の念が湧くというものだ。