戒名の確率過程的な価値

 戒名を持つかどうか、言い換えると戒名を買うかどうかは、確率・統計の問題とみなしてもよいでしょう。
 だたし、戒名をもつかどうかは遺族の問題かもしれませんが、そこは無視して考えてみましょう。
 戒名は家系が存続する場合にのみ意味があると思われます。遺族というても子々孫々がいなければ価値がないというのが、ここでのスタンスです。

 未婚率は男性の場合、20%です。このサイトのデータです。男の子がいても、1/5の確率で家は途絶えます。
 というよりも確率的に計算すると、子どもの数が何であろうと男性襲名の場合には家系が、確率=1で断絶することが示せます。→詳細は下記の参考書目

 まして、合計特殊出生率2未満である日本社会では、家系は数世代で途絶えます。結果として、戒名はなんの意味もなくなるようです。

 ということで、男児襲名かつ人口縮小社会においてはお家断絶は確実なので、戒名は見栄でもない限りは、ほとんど無意味というのが、数理的な結論になろうかと思います。



【参考】

 この本の「第4章生物個体群の成長と衰退」が参考になります。

確率過程と数理生態学 (日評数学選書)

確率過程と数理生態学 (日評数学選書)

 家名の継承は遺伝子の継承より条件が厳しいのです。53ページで証明されていますが、雌の残す平均子孫数m>1でない限り、確実に絶滅します。