三角形の反復による図形 続(11/10/24修正)

 スモークマンさんより次のようなご依頼をいただいた。

Σarctan(1/k) の図示をお願いできればと思いまして...
1/1 は直角二等辺三角形...1/2 はその斜辺を底辺にした直角三角形(1/斜辺の長さ=1/2) になるようにとる...
1/1+1/2+1/3 までで、ちょうど、arctan(1/1)+arctan(1/2)+arctan(1/3)=π/2 ですが...
調和級数の和は∞なので...これも遅々とでしょうが...螺旋を描いて行くはずですよね?

 確かに興味深いテーマであります。
 このように直角三角形が斜辺を接して、正接が1/kで減少してゆくのを続けてみたら..というリクエストですね。


 計算コードの変更はまあまあ速やかに終わりますが、開始早々に岩礁にぶち当たりましたのであります。
三角形=30個のケースが一晩計算して終了しない!計算自体はシンプルで回転&縮小ベクトルの足し算の反復なのでありますが、10個目くらいで引っかかるらしいのであります。逆正接関数が悪いのか? 辺のベクトルの精密表現が異常に増殖するらしい。
スモークマンさんの指摘もあり、計算ロジックを見直しました。
 ようやく数値計算の精度100桁に限定して、ようよう400個を生成できました。


ゆるやかに扇が開かれてゆくようです。斜辺も拡大することで原題の意図
にそうもとはなりました。

15000個までの三角形です。三角形の斜辺は増大し、扇は閉じません。

 ところが、別に計算してみるとΣarctan(1/k)は400でようやく2πを越えるようなのです。つまるところ、計算精度が怪しい。どうも395くらいで一周するようです。
なんか解せないのでありますが、ベクトルの内積で繰り返し計算する作図アルゴリズムに使っている数式処理ソフトのバグがあるのが判明しました。
 数値計算精度をギリギリまで高めてもΣarctan(1/k)と一致しない作図結果となるります。バージョンアップしてチェックしないとダメですね。

ということで不完全ながらの図形ですが、イメージをつかんでいただくために出しておきます。



 ピタゴラスの数学的遺産に基づく計算でありました。

ピタゴラスの三角形

ピタゴラスの三角形