現代人はどのくらいの電子メールを発信しているのだろうか。かつての文人たちは手紙をていねいに保存する風習があったので、どの程度「手紙」を発送していたかの目安はつく。
斎藤茂吉の書簡集は9300通、田中正造は5000通だそうだ。これら明治人たちの利用した郵便制度が書簡往復に時間がかかったことを思えば、たいしたものだ。
幕末の風雲児、坂本龍馬の書簡集もある。ここには136通含まれている。
電子メールが登場するまでは、郵便手段では多くて一万通のオーダーではないだろうか。何しろ、往復に数日間はかかるのだ。
余談はさておき、平均的な日本人は一日に平均20通は発信するとしてもそれほどはずれていはいまい。
もちろん、携帯メール、電子メール両方をとりまぜてた数字だ。
40年間でどれほどになるか。
40☓365☓20=29万2000通
29万通だ。若いほどこの数字は多くなろう。
一通に0.5分を費やすとしよう。100日間を費やすことになる。これは書くだけの時間であり、読む時間は別だ。40年に100日間は、単純計算で0.7%となる。起きている総時間でみれば倍程度の割合だろう。これを多いと見るか少ないと見るかは各自にお任せする。
しかし、これらのメールはどこにも保存されていない。多くはクラウドの向こう側にあって、手元に残しているヒトは少ないだろう。
それで思うのだが、将来、20世紀、特に20世紀後半の偉人の書簡集などが公開されることがあるのであろうか?
日本でアメリカの天才物理学者ファインマンの手紙が出版されたのには驚いたけど。このヒトは一応、電子メール全盛時代になるまえに亡くなった。
例えば、ビル・ゲイツ書簡集やスティーブン・ジョブス書簡集は出されることがあるんであろうか?
何となく紙の出版物として出されることはないような予感がする。
- 作者: 宮地佐一郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2003/12/11
- メディア: 文庫
- 購入: 3人 クリック: 169回
- この商品を含むブログ (21件) を見る
- 作者: リチャード P.ファインマン,Richard P. Feynman,R.P.ファインマン,ミッシェル・ファインマン,渡会圭子
- 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
- 発売日: 2006/04/15
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 19回
- この商品を含むブログ (19件) を見る
最近の集計によると2010年に世界で送信された電子メールは約107兆本とか。
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/it/2782382/6669706
これはヒトが手書きで入力したメール以外を含んでいると思われる。というのは
メール人口を20億人として、一日あたりのメール発信数を計算すると『150通』となり、かなり多くなるからである。スパムメールがあるということだ。