ソーシャル・ウェルフェア制度のコンセプト

 少子高齢化に適した福祉制度のありかたを考える。住みづらい世の中を少しでもマシと感じられるほどにするためには、皆で知恵をだすのだ。
 ここでは、社会福祉のポイント制度を構想してみたい。
ボランティア精神の根元には相互扶助がある。でも、いくら博愛の精神に富んでいてもそのボランティア自身が報われないのは芳しくない。
 そこで、国はソーシャル・ウェルフェア制度を創設する。ソーシャル・ウェルフェアポイントは高齢者・障害者・社会的弱者(被給者)に対して自動的に電子的に付与される。

 その流通はこうなるだろう。
 無償の奉仕を行ったヒトに被給者が能動的に付与できる。健常者はそれを貯めておくこともできるが、ヒトに付与することもできる。
 無償の奉仕とはなにか。些細な親切から家事労働(いわゆるシャドウワーク)などまでも含む、善意無償の活動である。出来れば公道のごみひろいなど特定のヒト以外に対する善意の活動も対象としたい。
 健常人はソーシャル・ウェルフェアポイントを譲ることしかできない。やがては使う身になるだろう。ボランティアも、高齢者になり、障害者になり、社会的弱者になる。その時は優先的につかえる。公的な罰金や手数料にも充当できてもいいんじゃなかろうか。

ソーシャル・ウェルフェアポイントの授受は電子マネー的に行うことができる。
名刺のやり取りにも似た挙動で簡易的に行えるように携帯などに組み込みされるることが望ましいだろう。
 これをソーシャル・キャピタルと結合したい。SNSツイッターのハブはソーシャル・キャピタリストだ。彼なり彼女なりが、ウェルフェアポイントの相場か、運用を支配する仕組みがあると面白い。そのあたりのルールと効用を突っ込んで検討したいものだ。
 将来の国民ID制と結合されるのはもちろんだ。

 さて、この効果はどうなのだろか? 善人は報われ、弱者はこれまで以上に親切を享受できるだろうか?
 その副次的な結果として、各人の善意の活動=ポイント対象となる活動はすべて電子的に保管されることになる。それはあの世でも役に立つことが望ましい。閻魔さまが審判するその帳簿替わりになるとか。
 それは、下世話な望みというべきだろう。


厚生経済学の原点と原典にたちもどって考える若者に、乞う御一読!
ピグー『The Economics of welfare』(原著英語版)pdf