半径の列が所与の円のシリーズ

 問題を説明しよう。
互いに接する二円がその半径の数列と中心ともに与えられる。その二円に接する円を求める。その半径は数列の続きである。

 例えば、最初の円は原点を中心とした半径1の円である。二番目の円は中心座標が(3/2,0)で半径1/2である。

これらの円に接する三番目の半径は1/3とし、その中心点を求めるのだ。
 そしてこの操作を繰り返す。ここで半径の列はr(n)=1/nである。

どうであろう、単純にして複雑怪奇ではないだろうか?

 単純というのは、三番目の円の中心を求める式は連立二次方程式でしかないことを意味している。その座標を(x3,y3)とすると

   (x1-x3)^2+(y1-y3)^2=(r1+r3)^2
   (x2-x3)^2+(y2-y3)^2=(r2+r3)^2

 これを解けば良いのである。r1,r2,r3は所与の数列だ。簡単そうではないか!

 まあ、しかし、これを解くのに必要な計算力は半端ではないのだというのが複雑怪奇の意味だ。
 数個先の計算となると人智を超えた能力がいるのだ。その解の一つを示す。

解ければ下図のような円の系列となる。
 1/nの半径の円接触のシリーズだ。

r=1/nのケースでは100個の連続系列はこうなる。