単純だけど実にややこしい図形問題

 正方形に内接する円の系列は、見かけによらずややこしいことが判明したと信じます。
大学入試問題程度かと軽く見て、なんとなくやってみたのですが...。
 いやーこれは人手に余る計算ですね。

 目標は正方形に内接する円のこんな系列を算出することです。正方形の一辺は2としましょう。
つまり、最初に内接する円の半径=1ということです。

 実は左隅の3つ目の円を出したところで、放り出してしまいました。
まずは左隅の円(一つ目)の半径を算出します。手計算で算出できます。


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次に右隣の円と参ります。これが難物です。
 結局、この方程式に行き付きました。r1は一つ目の円の半径で、r2を求める代数方程式です。
一般解はとても複雑です。本質的ではないので、略します。
r1に上の値をいれた方程式を使います。

この解は素直に出せました。


 しかし、すこぶる計算力がないとこれを出すのは大変でしょう。難関大学の入試問題にも不向きではないかと感じます。

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 3つ目の円になると人手では無理だと思います。
方程式はこうなります。r3が求めるべき円の半径です。

あるいは、既知のr1、r2の数値を代入した式です。

数値計算しか手段がありません。
 解は r3=0.0513220241  です。

これが絶望的にややこしいことは、その厳密解を証拠として下に提出します。



 だからこそ、単純な幾何的な図形の系列であるのに、どの書籍でも見かけたことがないのでしょう。
(どなたかこの系列を見かけた方、ご教示ください!)

幾何学―発見的研究法 (モノグラフ 26)

幾何学―発見的研究法 (モノグラフ 26)