サイエンスのセレブ夫婦

 カール・セーガンとリン・マーギュリスは、20世紀後半のサイエンス・セレブ夫婦であった。
カール・セーガンは宇宙科学の伝道師として縦横無尽の活躍で、アメリカ人以外にも知れ渡った。
何と言っても『コスモス』は素晴らしいテレビシリーズであった。
 リン・マーギュリスは、栄誉ではexハズバンドのカール・セーガンを上回る。細胞の共生説の提唱者として、おそらくは生物の歴史と生物学の歴史を塗り替えた。



 ダンナほどの華はないが、その名声は後世に残るであろう。しかし、この夫婦長続きはしなかった。娘は一人いる。リンは、かなり攻撃的な性格であり、あのドーキンスをして、「彼女の隣に座るよりはフン族アッティラの隣の方がましだ」と言わしめた。
 ま、それは熟年になってからの性格の変化もあるかもしれないけれど。

 彼女の共生進化説は卓抜な着想の典型例である。その原典が翻訳されているのは、あまり知られていない。

細胞の共生進化〈上〉始生代と原生代における微生物群集の世界

細胞の共生進化〈上〉始生代と原生代における微生物群集の世界

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 ところで、セーガンへのオマージュは映画「コンタクト」である。異星文明とファーストコンタクトするこの映画で、北海道が「打ち上げ?」の舞台になるのには驚いた。ジョディ・フォスター主演の女性天文学者は実在するモデルがいるそうで、セーガンの友人であったらしい。

コンタクト 特別版 [DVD]

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