電子書籍と震災

 電子書籍に関心が向きだした矢先に発生した大震災。この影響はどうでるだろうか?
すでに知れわたっているように、紙やパルプの不足が生じた。3週間経過して生活用品としての紙不足は解消されたようです。
 しかし、次に発生したのは印刷業界の非常事態宣言です。
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=0330&f=column_0330_002.shtml
インク業界の資材の不足は深刻な状況とききます。
計画停電やガソリンなど燃料費の高騰が追い打ちをかけているようです。

 過酷な事態に印刷業界や出版業界が直面しているわけですが、電子書籍マーケットには、どのような影響を与えるのでしょうか?
 少なくとも電子書籍リーダーの所有者にとっては、電子書籍の入手はこれまでどおりであろう。スマホKindleユーザは少ないタイトル数に文句をつぶやきつつ電子新聞や電子ジャーナルを気がるに購入するにちがいない。それが日本の紙不足を補う行為であるからだし、なによりも便利であるから。
 「無理に印刷物を被災地に届ける必要があるだろうか?」と問いかけるヒトも多いいだろう。たしかにその通りなのだ。幾つかの条件をクリアしさえすれば...

 その条件とは、被災地において二点がどうなるっているかです。
1)電子書籍リーダーが行き渡っている
2)電子媒体のコストが低く抑えられている

付け加えれば、紙媒体の販売チャネル(書店や販売店)が十分に機能していないならば、
電子書籍がガゼン注目を浴びることになるであろう。
だが、時期尚早であったようである。

 贅沢を言わせてもらえれば...
 SONYやシャープなどの電子書籍リーダーのメーカが、被災地に格安もしくは無料でリーダーをお届けし、最新の情報を被災者の方達につねに伝達できるようにしてもらえれば、これにまさる販促と宣伝はないでしょう。 

 従来の紙の媒体と電子書籍は、そろそろ棲み分けをはかる時期にきているのではないでしょうか。
 震災のような緊急時にそくざに被災者に情報を届けられるような仕組みとして、電子書籍のような仕組みはとても有効であると、印刷業界のさまざまな状況を知るにつけ、まざまざと感じているのであります。