色々なパスカルの三角形

 パスカルの三角形は義務教育過程の数学で学ぶ、造形と数の数少ない名コンビでしょうか。
通例は、このような三角形に二項係数を配列します。

    

ここでは、かつてマーチン・ガードナーが『数学カーニバルⅡ』で報告したパスカルの三角形のパターンを再現してみます。
 この二項係数に対して、偶数と奇数で色をつけかえる。それだけであります。

上から7列目までを示します。奇数はシアン、偶数は赤の丸です。

これだけでは、衆目を集めるとまではいかないので、100列まで拡大します。ガードナーの紹介したケースはこのくらいまででしょうか。

どこかで見かけたパターンが出てきますね。
500列まで拡大します。

 もう、お分かりでしょう。シェルピンスキーのギャスケットです。フラクタル的な構造がパスカルの三角形にあるようなのです。
 この2つの同型性を証明するのはどなたか才能のあるヒトにお任せします。

 別の剰余類でどうなるか、おまけで添付しておきます。剰余類ごとに色分けしてみたわけです。
どれもが三角形をベースにしたパターンになりました。
 最後の「5」で割れるかそうでないかのパターンがやや面白おかしく感じます。

3の剰余類

4の剰余類

6の剰余類

5の剰余類(5で割れるのを赤)

 おまけのおまけで、ヤコビ記号での色分けを実施してみます。なんといっても(一次の)剰余類での色分けはどれもが三角形になるようなので、新規性を求めてみることにしました。
 ヤコビ記号は二次の剰余類を区分けするのですからね。案の定でした。
100列でこうなりました。

さらに200列まで増やします。

 本来、ヤコビ記号は数を3つに分類しますが、実は3色にするとパターンがぼけてしまいます。



数学カーニバル (1977年)

数学カーニバル (1977年)