4m±1型の素数の数の比較

 2をのぞけば、あらゆる素数は、4m+1か4m+3に分けられる。
どちらのほうが数が多いのだろう? 
 そういう疑問を浮かべたのはチェビシェフのようだ。どうにもヒマな疑問であるが、その計算をやったというのはヒマな上を往く。
 彼の計算では小さな数の範囲で4m+3のタイプがおおいのだそうだ!!

まずは、4m+1タイプの最初の八個
  {5,13,17,29,37,41,53,61}
4m+3はこうなる。
  {3,7,11,19,23,31,43,47,59}

ここまでのところ、61以下では4m+3タイプがおおい。

20万番目の素数の中での両者をカウントしてみよう。これ、二本が重なっているのだ。

ほとんど差は見分けられない。だが、両者の差をとるとかなり変動しているのが分かる!
途中で個数が逆転している。図はπ(4m+1)−π(4m+3)である。4m+1の素数の数から4m+3の素数の数を引いたということ。20万番目の素数まで比較している。

もう一つの数値実験は、10万番目まで両者のそれぞれの素数の和とり、上記同様に差分をとっている。ゆらぎは前の差分より大きくなる。

具体的には、こんな計算をしている。
{5+13+17+29+37+41+53+61+73+89+97+101+109+113+137+149+157+173+181+193+197+229+233+241+257+269+277+281+293+313+317+337+349+353}+{-3-7-11-19-23-31-43-47-59-67-71-79-83-103-107-127-131-139-151-163-167-179-191-199-211-223-227-239-251-263-271-283-307-311-331-347}


1000番目までを拡大したのが下図である。


さらに100番目までを拡大する。

71番目で逆転しているが、実際に「310」という和になっていた。

素数のズッーと先で、何が起きていいるのだろうか?
そんな疑問を持って、昔に地動に計算していたチェビシェフはスゴイねえ。

素数の世界―その探索と発見

素数の世界―その探索と発見

著者リベンボイムは自然数が親友と豪語する怪人な碩学数学者だ。このところワンテーマに没入する御仁が増えているが、そのなかでも選りすぐりの超人学者であろう。