人類の臨界状況メモ(1)

フランス革命山岳派の没落はいつも身につまされる。
民主主義と徴兵制の生みの親である18世紀のフランス革命。近代の偉大な序曲であったフランス革命国民主権と議会政治のモデルを現代社会に提供した。
 そして何よりも、この革命史は一党独裁の見事なまでの敗亡の物語りを後世に伝えている。
 ロベスピエールを党首とする山岳派は国民議会で一体となったジロンド党を破滅においやる。ロラン夫人やコンドルセといった貴重な人材を死に至らしめる。ここでブルジョアジーの離反を招くことになる。
権力を体現した山岳派はさらに内部抗争を起こす。極左のパブーフ派がまずきり落とされる。無産階級を代表していたエベールは女々しく絞首台に向かう。
そして英傑のダントンの右派が断罪される。この庶民的な人気ものがギヨチンにかかり、舞台から去る。この一代の大物ダントンの裁判闘争は多くの芸術作品のテーマとなり、彼の威風を慕う人々は今でも絶えない。
そして、ロベスピエールに権力が集中するともに反感が高まる。最高存在の祭りをピークに陰謀がめぐらされる。二転三転の逆転劇を展開しつつ、テルミドールの反動で革命劇の幕はとじる。

フランス革命史〈上〉 (中公文庫)

フランス革命史〈上〉 (中公文庫)

フランス革命史〈下〉 (中公文庫)

フランス革命史〈下〉 (中公文庫)

 彼らの没落の物語は人類の現況を強く想起させるものがある。それを根拠づけていこうと思うのだ。
なぜか?
1)人類は現生人類だけになりはてた。
2)哺乳類は現生人類により次から次に抹殺されきた。今日もそれは続いている。
3)民族自決と議会制民主主義、そして資本主義は他の制度を圧砕した
これは現生人類の完全な独裁制、地表における覇権の確立を招来した。
そして、これが20世紀までのマクロなストーリーだ。
まずは上記の3項目の事実を集成しよう。しかる後に没落ならぬ臨界状態を示すことを
自らの課題としよう。