ワイズマンの実験 獲得形質

1300368738*ワイズマンの実験の別解釈
 ワイズマンの実験は、獲得形質が遺伝しない実例として、生物学の教科書にでてくる。
1600匹のねずみの尻尾を22世代にもわたって切り取ることを繰り返して、尻尾に変化がある子孫が現れないことを「証明」したことにされている。


 これは科学哲学的にいえば、デュエム=クワインのテーゼの一例でしかない。決定実験はない、とテーゼは語る。ワイズマンの実験は明らかになにも決定していない。なにも示し得ていない。

 それどころか、逆様のパロディ的な解釈さえありうる。
 毎回尻尾を切り取ることで、ねずみは生かされれ続ける。22世代にわたり適者生存しているわけで、尻尾がそのねずみの家系の飼育の必要条件になってしまっている!
よって切られるべき尻尾を形成しつづけるべきである。 ....とDNAが誤解している可能性があるのだ。

 形質に対してなにか操作をしてみてもそれが遺伝するようになるには、かなり試行錯誤しなければならない。ダーウィンが研究しているように家畜とか栽培植物では、好ましい形質を遺伝させることに成功している。それは、牧畜家や育種家の粘りと知恵と試行錯誤に依存していた。
 つまるところ、ワイズマンは育種家ほど粘り強くもなければ、ワイズでもなかったことを証明してしまった。
その点、ダーウィンの目配りはさすがである。


ダーウィン『種の起源』を読む

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一般的には、例えば、このブログのような意見は妥当かと思う。
http://jyuuoumujin-yuuyuujiteki.com/A/A996/39.html