リドリー・スコット監督の名画『ブレード・ランナー』の続編のウワサが飛び交う昨今。
カルト的SFムービーにして名画であるというのは稀有だが、これは例外だ。
それだけのインパクトがあった映画なのだと思う。ハリソン・フォードの扮する刑事が人間に紛れ込んだ人造人間=レプリカントを追跡し、排除する。酸性雨とミストの漂うメガロポリス、その雑踏のなかで人間になりすまそうとしてなりきれないレプリカントに感情移入してゆく刑事。
レプリカントの悲しみはどうやら現代人の疎外感に重なってこころの襞に共鳴する。
天国にいるはずの俗物に囲まれた預言者フィリップ・ディックさんよ、あんたの不安は正しかった! 「俗物に囲まれた幻視者」とはレムの評論。
それとは別に、上海のノンフィクションのリアル映像を見ていたら、上空で飛行船に動画広告を投映していた。あれまあ!どこかで見たような。
ブレードランナーの舞台は、もはや大阪の難波ではなくて、中国の上海のほうがふさわしい。環境もテクノロジーも末期的で場末な雰囲気も、そうなにもかもがだ。
無機的でリズミカルなヴァンゲリスの主題曲がシブイ。
リドリー・スコットはいまは『NUMBERS 天才数学者の事件ファイル』のほうに専念している。
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