再度の食糧危機せまる

今朝の日経記事「食糧危機で政情不安も」FAO事務局長。
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C9381959FE0E6E2E6E18DE0E6E2E3E0E2E3E39F9FEAE2E2E2;at=DGXZZO0195570008122009000000

2008年に世界各地で食糧が高騰、食を求めて暴動が起きた。
今年もそれが再燃する可能性がある。
2010年末で、すでに価格は2008年水準を超えつつある!

                 FAO 食糧価格指標(2011)


南半球各地の洪水で穀物が不作傾向にある。輸出国の豪が大洪水に見舞われた。昨年12月ロシアも穀物輸出を禁じた。
このままでは2008年の再来だ。
 http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201101060087.html

 人類に敵対するのは天候不順だけではない。韓国・日本での口蹄疫流行のように東アジア各地での鳥インフルエンザ問題と家畜の感染症が頻発している。

 食糧増産は各国で取り組んでいる。昨年のBBCでの特集番組「食料増産へのチャレンジ」で各国の農家牧畜業者の取り組みを放送していた。取材者の英国農家のキャスターは大規模生産農家より、地道で自然な改良を選んで賞賛していた。
 私の考えるに特定の品種に頼るのではなく、食の多様性をやはり考えなくてはなるまい。
 牛豚や米、小麦、コーンを主とする食のあり方を修正しなければならないであろう。*1 強力な食糧生産国への食依存はこれからの時代には不向きだ。
 温暖化による生産不振や水不足、疫病は土地を選ばない。その主要なターゲットは食糧大量生産国だ。
 
 食糧の生産方式に関しても実は問題がある。大量生産を可能にするのは、エネルギーだ。トラクター、コンバインや流通加工での生産施設がどれほど効率的なものであってもエネルギーが途絶えれば、とたんに価格に跳ね返り、供給がとどこおる。
肥料にもエネルギーが投入されている。

 生産方式もエネルギー価格弾力性が低い(エネルギー投入を低減させた)技術導入を考慮すべきであるということになる。
だが、それはトラクターのEV化やこれまでの省エネ技術だけで十分だろうか?

懸念されるのは、食糧輸入国にしてエネルギー輸入国である日本にダブルパンチとなる可能性があることだ。
どう、しのぐのか。みんなで考える時期にきている。
 

*1:砂糖やカカオなどでは不当労働が横行している