テレビ取材で日本を訪れている外国人に、日本の食や風習などをインタビューする、そんな番組がけっこう多い。
先ほど観た例では、フランス人親子が元旦そうそうのショッピングで、福袋を買うところを報じていた。ファッションの福袋を開けながら、その母親らしき女性が語るには、「カジノみたいで楽しかった」と。
番組の面白さは、この辺りにありそうだ。
地元人には有り触れている慣習や風物に対して、(思いもつかない)違った側面での評価なり表現をしてくれることだ。それにともない、福袋ショッピングに以前にも増した情熱をいれこめるというものだ。
福袋をカジノ的仕掛けとして理解する、その態勢は異文化理解の好例でもあろう。似た仕組みや概念に置き換える一種の「翻訳」である。
『特命全権大使 米欧回覧実記』はこの手の好例にあふれている。それはすなわち、江戸期のサムライたちが、西洋文明の文物を初体験してどのように「翻訳」したかだ。
特命全権大使米欧回覧実記 1 普及版 アメリカ編―現代語訳 1871-1873 (1)
- 作者: 久米邦武,水沢周
- 出版社/メーカー: 慶應義塾大学出版会
- 発売日: 2008/06/05
- メディア: 単行本
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