電子的政党活動の可能性

 電子政府に見合う政党が立党されるべきだろうと思うのだが。
これまでの旧弊な政党システムにはいささかゲンナリしている。なぜなら、民意を十分反映していない、反映するのが遅い、不公平感がおびただしい。
では、どうすればいいか?
 ネットによる直接民主制がその核心となるであるだろう。
もし、それを字句に落とすとどうなるかを思いつくままに記してみた。不完全な記載であるが、理念は汲みとっていただきたい。

 電子的な政党は最大多数の最大一致をリアルタイムに具現化する。人びとの意見調整に手間取るのは、もはや時代遅れ&時間遅れだ。そのため、固定的な綱領は必要としない。常にネットで全員の意見を可能な限り集約し、可能な限り合意を形成し、一致点を電子的に見出す。
 そのための活動基盤はネットである。ネットにおけるコミュニティはギリシア都市国家アゴラ(広場)と等質であり、そこで自由に政治論議ができる。政策決定もアゴラでの根回しが終われば瞬時に可能であろう。
 党の運営は一群のネットオペレーターが行う。外交・経済・教育・福祉・防衛などのエキスパートは不要である。見識のある一般市民の意見が合意をうみ、それが大勢の主流となるからだ。すなわち、集合知による運営である。
 古くていかがわしいものはもう捨て去ろう。党の要人の料亭での会議はいらない。党員投票で定期的に信任をはかることも不要だ。
 大多数の意見そのものが実行されるべき政策案であり、場合によっては直接示威行動もありうる。民意による自己組織化を本体となすのだ。
 こうして真の意味での直接民主制をネットによって実現するできるのだ。*1

 これまで政党はゲゼルシャフト的だった。つまり、利益共同体だった。共通の利益を求める営利的集団からの間接的な意見集約をマニュフェストの条項にしていた。だが、金銭的な利益は何も解決できない。それは世界の複雑性に対して単純にすぎるのだ。
それに対して、電子的な政党の根本はゲマインシャフト的であるべきだろう。ネットという縁を重視し、意見と理念の一致を主意とするからだ。*2

情報政治学講義

情報政治学講義

*1:烏合の衆にならないような安全装置は必要だ

*2:テンニエスの組織の史的変化の流れとは逆進している