ドストエフスキーの再臨

ドストエフスキーばやりだそうだ。「カラマーゾフの兄弟」がこれほど受け入れられるなんて、誰が20世紀後半に予想したろう。父親殺しをめぐる犯罪小説、それとも異端審問官の強烈な印象のせいか。はてまたポリフォニー的多重人格性が特殊な効果を与えるのか。
世界文学でも最も難解な部類の小説が受ける時代の意味も考えてみたい。
そもそも疑うことを知ったアリョーシャはどのような人間になりうるのだろうか。

そういえば、天才物理学者のDiracは人に勧められていやいや「罪と罰」を読んだ。
その感想をたずねられて「面白かったですよ。一日に二回日の出があって」