「夜のガスパール」より

 ベルトランの散文詩『夜のガスパール』から「スカルボ」と「オンディーヌ」
 モーリス・ラヴェルはこの怪奇な詩をもとにピアノ曲を残した。

禍々しい羽ばたきのような響きで始まる「スカルボ」。 
詩人と小悪魔の棺桶での待遇をめぐる会話だ。

水の精「オンディーヌ」は月の光を連想させる。


 ベルトラン自身は生前、詩人としてはほとんど評価されることがなかった。日本においては三種類の翻訳がでている。そのうち一つは文庫にもなったのだから大したものだ。
書肆風の薔薇」から発刊した翻訳が文庫となったものだ。良心的な本づくりで知られた出版社だ。
書肆風の薔薇水声社となって健在である。

夜のガスパール―レンブラント、カロー風の幻想曲 (岩波文庫)

夜のガスパール―レンブラント、カロー風の幻想曲 (岩波文庫)