ベルトランの散文詩『夜のガスパール』から「スカルボ」と「オンディーヌ」
モーリス・ラヴェルはこの怪奇な詩をもとにピアノ曲を残した。
禍々しい羽ばたきのような響きで始まる「スカルボ」。
詩人と小悪魔の棺桶での待遇をめぐる会話だ。
水の精「オンディーヌ」は月の光を連想させる。
ベルトラン自身は生前、詩人としてはほとんど評価されることがなかった。日本においては三種類の翻訳がでている。そのうち一つは文庫にもなったのだから大したものだ。
「書肆風の薔薇」から発刊した翻訳が文庫となったものだ。良心的な本づくりで知られた出版社だ。
書肆風の薔薇は水声社となって健在である。
夜のガスパール―レンブラント、カロー風の幻想曲 (岩波文庫)
- 作者: アロイジウスベルトラン,及川茂
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1991/11/18
- メディア: 文庫
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