高次巨大数の心友、エルキース

 オイラーの予想というのがかつてあった。その和が4乗数になるような3個もしくは4個の4乗和は存在しない。同じく、5乗和もないだろう。

 フェルマー予想の拡張版だったわけですが、1911年に4個の場合の反例が報告されている。

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左辺は15527402881となり、正しく353の4乗である。

 ノウム・エルキーが3個の場合の反例を出した時はアメリカの全国紙のニュースになった。

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 この値は180630077292169281088848499041だ。

 高次巨大数の友だちという意味はおわかりであろう。

そして、彼はフェルマー大定理の反例のなり損ないも見出している!

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このεはすごく小さい! だいたい、0.0000000000000000000000363くらいだ。

 マーチン・ガードナーが健在だったなら、新しいエイプリルフールのネタとして、

 「フェルマー予想の反例見つかる! これこそゲーデル命題か?」と報じて、我らを喜ばせてくれたはずだ。

 

+追記

フェルマー大定理のケースで両辺の数値を出しておく。

 左辺=51488062237908262117164432659695107942546091268

 右辺=51488062237908262117145710842129274774286712832

一般庶民の感覚ではかなりの差がありますね。

 

【参考文献】

  2020年にコロナで亡くなったリチャード・ガイの名著を参照にした。

数論「未解決問題」の事典

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